庭連では年1.2回各地のメンバーが主催する視察研修を行っています。
各地を旅し、主催となったメンバーも、地元の良さを再認識することが目的。
今回は北東北に焦点を当て、山採りの木々がどういった環境で育っているのか、
また、奥入瀬渓流を散策し、素晴らしい景色をどう庭に取り込むかということを
造園家 大北 望氏のレクチャーを受けながら研修しました。
遠方からの参加ということもあり、前日入りするメンバーの為に急遽宮城の山を散策
ここの山はヤマモミジが多く、株元が歪んでいる理由を積雪に負けずに育ったという理由を聞いて自然の逞しさに感動。あとここ熊がいた形跡がありました。
秋田、岩手の山々を巡り、なぜ山採りを使うのか、どういうメリットがあるのか、採ったあとの山はどうなるのかなどのレクチャーを受けます。
雄大な自然を感じ、庭にどう取り込むのかを考えながら歩きます。
大北氏いわく「自然を切り取ったものが最上の庭というような意見もあるが、それは土木技術で事が足りる。では我々はこういった景色を見て、感じて、それをどう表現するかが庭の技術ではないか」
山にある雰囲気の良い木を庭に運んできて、それで完成では余りにも簡単で誰でもできる仕事になるのではないか。
自問自答を繰り返し、仲間と語りながらの視察は得るものが多い。
この日は十和田で宿泊し、夜も活発な意見交換。
雑誌「庭」を持ち寄り、「それぞれの庭を批評ではなく評論することにより、自分の考えや好み、作庭観を生み出せるように考えてほしい」の言葉に、それぞれ意見をぶつけ合います。
自分ならこうするというような意見交換は度々してきましたが、評論となると一味違って好きなところを言い合うのも良いものだと感じ、秋の夜長を楽しみました。
明朝いよいよ奥入瀬渓流へ。
至る所に良さがあり、退屈させません。
ではこの退屈させない素晴らしい景色を、庭に持ち込む為にはどうするべきかを惜しげもなく語っていただきました。
中には大北氏が長年をかけて見出した内容もあり、我々に活躍してほしいという想いに感動しましたが、結果を出さなければ恩に報いることにならず、各々背筋が伸びた研修となりました。
このように庭連ではメンバー同士、または講師をお迎えし、お互いを高めあっています。
みなさまの参加を心よりお待ちしております。